2020年7月日記Z

7月27号(월요일)

流浪地球



中国ドラマで面白いのを探しているのですが、なかなかハマるのがなくて、ついつい韓国ドラマを観てしまう今日この頃。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。


中国語の勉強をはじめて1年が過ぎたので、そろそろある程度聞き取れるようになるかなと期待したのですが全然ダメです。そりゃ〜当たり前で知らない単語ばかり出てくるのでわかるわけがない。知らないことがすらすらとわかるようになったら、それは天才というか、人間を超えたネ申だろ。


という訳で、雨にも負けず、風にも負けず、単語をひたすら頭に入れる毎日です。辛い。とても辛い。野球中継を観るときも消音にして、単語を覚えながら観ています。おかげさまでというかなんというか、単語を覚える苦痛を味わいながら野球を観ているとピッチャーの苦しみが肌で感じるようにわかります。カウントが悪くなっても負けず、塁にランナーを溜めても負けず、そういうピッチャーに、わたしは、生まれ変わっても絶対になりたくありません。はい。




そんな感じなので、話題のSF小説、刘慈欣『三体』を気合を入れて中国語版を買ったのに全然読めていません。



そのかわりと言ったらなんですが、友達に「刘慈欣原作の映画をNetflixで観られるよ」と教えてもらったので早速観ました!


流浪地球



流浪地球|The Wandering Earth︱預告片


ストーリー自体は紋切り型で全然面白くないですが、中国のあのパワーがどこへ向かうのかを知る上では非常に興味深い作品でした。感じられた特徴をいくつか挙げてみます。



(1)先行研究


中国のオリジナリティーを感じられる作品ではありませんが、先行研究をしっかりしていることはわかりました。かなりの数の先行作品を当たっているのでしょう。とりあえず大御所は全て抑えたという感じです。



2001 A Space Odyssey - Just The HAL 9000



Blade Runner - Opening Scene (HDR - 4K - 5.1)



Star Wars: The Rise of Skywalker | Final Trailer



(2)メガスケール


日本人の僕から観て端的に感じられたのが彼らのスケール感覚です。アメリカ人のスケール感覚に非常に近いです。


『流浪地球』の物語の設定は、太陽が大きくなってきていて、このままでは地球が飲み込まれてしまうので地球にエンジンをたくさんつけて、地球を移動させて人類を存続させようというプロジェクトです。そのために地球連合政府が樹立されて、そのメンバーに中国人も入っているというか、中国が引っ張っていくというニュアンスです。


地球を危機から救うという大規模な作品を日本人も書こうと思えば書けますが、書こうと思いません。なんというかスケール感がフィットしない。「いやいやガンダムがそうじゃん!」ってツッコミが入りそうですが、あれも日本が中心の物語という認識はありません。ちなみにアムロって日本人なのか?安室なのか?沖縄出身か?


ちょっと話がそれましたが、やっぱりこういうスケールの物語を書くのは、今まではアメリカ人の独壇場だったよなーって思います。そこに中国人が加わってきたという感じです。



(3)アメリカに対するライバル心



これは明らかというか、SF映画といえばアメリカの独壇場だから仕方ありませんが、アメリカのSF映画を研究し尽くしたという感じですし、中国人の価値観は、アメリカ人の価値観にすごく近いと感じられます。


親子の絆、そして地球を救う英雄。



Interstellar - Trailer - Official Warner Bros. UK



Aerosmith - I Don't Wanna Miss a Thing - Armageddon - Original Soundtrack



(4)中国人のインターナショナリズム


そもそもストーリー自体が地球を救う、人類を救うというものですから、インターナショナルにならざるをえないのですが、その際にどういった国の人が出てくるかというのは、中国人がどの国の人を意識しながら世界を観ているのかが透けて見えて面白いです。


まず日本人は出てきません。世界規模でものを見るときに日本人は除外という感じでしょうか。ま、中国人・日本人・韓国人は見た目が同じですから、映画のなかでの使い分けが難しいということもあるでしょう。


次に、アメリカ人、フランス人、イギリス人などもほとんど出てきません。正確に言えば、出てきてはいますが、ほとんど触れられません。観ていて「あの人はアメリカ人なのかなー?」というくらいです。これは意識的に外しているという一面もあると思います。


では、中国人以外に誰が出てくるかというと、まずロシア人。主人公の父親である中国人の科学者と一番仲が良い連合政府のメンバーがロシア人です。あと一般大衆的な描写で出てくるのがインド人東南アジアの人々です。彼らが観ている世界地図が伺えます。



(5)中国人のパワー


これはやはりすごい! 中国人は仕事を一緒にやっていても感じますが、やるまでは遅いですけど、やると決めたらめちゃくちゃ速いし、お金をどんどん突っ込んできます。この作品もCGはすごいし、お金をけっこうかけています。


制作費55億円!?


日本でこんな制作費をかけて映画をつくることは後にも先にもないでしょうし、今それをやるとしたら中国とアメリカくらいですね。いや、アメリカはもうやらないかもしれませんね。




『流浪地球』はまだまだ発展途上の作品ですが、今後どのように発展していくでしょうか?


『2001年 宇宙の旅』インターステラーは単にお金をかけたという映画ではなく、また単なる英雄物語でも、単なるエンターテインメントでもなく、SF作品として、哲学として面白い作品でした。


さて、中国人作家が、彼ら独自の哲学に踏み込んだ作品を今後創ってくるでしょうか?


そんな日がくることを楽しみに待ちたいです。


そして、その日までに中国語をなんとか物にしたい....です。。。






 

 

 

 

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