2020年5月日記Z

5月31号(일요일)

ブックカバーチャレンジ (最終日)


35.2度。異常なし。

혼자 하는 일이 아니다.



(7日目) 仲島正教 "教師力を磨く -若手教師が伸びる「10」のすすめ"


僕の小学校1年生のときの担任の先生の本で、たしか本屋で働いていたときに「あれ、この名前どこかで聞いたことがあるなー」って、本を手に取って表紙を見たら「あぁ、仲島先生だ!」と一瞬で思い出した。


そして当時住んでいた相模原に先生が講演に来るというので聞きに行って二十数年ぶりに再会した。ちゃんと僕のことを覚えていてくださった。


大学の恩師の場合は、今も昔も変わらずということが多いけど、小学校1年生の担任の先生と久しぶりに会うというのは本当に不思議な体験だった。


当時も元気ハツラツな先生で、みんなの人気者だったけど、教師論をしっかり語って1冊の本を書き上げるほど、確固とした教育観を持った立派な先生だったとは、さすがに1年生の僕は気がつかなかった。


ただ、この本に当時のエピソードが書かれていて、クラスメイトに今でいう高機能自閉症もしくはアスペルガー症候群の子がいて、僕も今でも覚えているけど、当時はそんな症例名もなかったし、僕らもどう接していいかわからなかったし、先生も大変だったろうなーって察するのだけど、その時のことが書かれていて、「あぁ、先生そういう想いだったんだ」と知ってジーンときた。






5月30号(토요일)

ブックカバーチャレンジ (6日目)


36.1度。異常なし。

장그래씨는 열심히 일해요.



(6日目) 藤原ちから+辻本力編 "〈建築〉としてのブックガイド"


昨日紹介した本のコメント欄に、書店員時代の知人が藤原ちからさんの名前をあげていて、「あぁ、そうそう、ちからさんも不思議な人だった」と思いだした。


書店で働いているときは何しているのかよくわからない不思議な人が周りにたくさんいた。


本書はブックガイドを建築に見立てて作られたブックガイドで、僕もそのうちの一部屋を作らせてもらった。


藤原ちからさんとフリー編集者の辻本力さん、この人もかわった経歴の人で、もともと水戸芸術館の機関誌を編集していて、この機関誌がけっこう面白いぞって話題になった。その後フリーになって編集をやっている(最近会ってないので詳しくは知らない)。


あとメディア史研究者の大澤聡さん、政治学者の白井聡さん、哲学思想史家の浜野喬士さん、絵本作家の大橋慶子さん、グラフィックデザイナーの加藤賢策さんらと作った本だ。


ミーティングや座談会にも誘ってもらって、みんな小説家だったり、デザイナーだったり、絵描きだったり、学者だったり、書店員だったり、劇作家だったり、何かしらのスペシャリストなのだけど、幅広いことに対応できるジェネラリストで、「ああ、本ってこうやって編まれていくんだー」って実感できて、すごく楽しかった記憶がある。


建築をやってたときは建築家の先生の元で働いていたから僕の名前を残せなかった。だから本書は、僕の名前を残せた唯一の実作〈建築〉でもある。






5月29号(금요일)

ブックカバーチャレンジ (5日目)


35.9度。異常なし。

저는 미생을 보고 있어요.



(5日目) 佐々木敦 "小説家の饒舌"


書店員をやってたころ、もっともお世話になったのは佐々木敦さんだ。


書店員というのは不思議な職業で、世の中の仕事のなかでもっとも給料の安い職業かもしれないけれど、大企業に勤めていい給料をもらっている人たちなんかよりずっと優秀な人がたくさんいる。


本を売るということは、すなわち本を読むということで、書店員には本を読める人が数多くいる。本を読めるというのは、テストができるとか、受験勉強ができるというのとは全く違う。転職して、企業に勤めるようになって、「あぁこの人、本読んでるな、本読めるな」と思える人にはまだ一人も出会っていない。


それで、書店員時代に「あぁこの人、本読めるな」と思わされたのが、当時同僚だった松岡千恵さんという書店員で、彼女はすごかった。


この本の後書きで、佐々木さんも書いているけど、どこからそんな情報を仕入れてくるのかわからないのだけど、いつもいろんな企画を練っていて、ほとんど超常現象といえるような棚をつくっていた。


最近では、岩浪れんじさんの"コーポ・ア・コーポ"という漫画を推す棚をつくっていた。この感性やっぱすごいわ。


あ、それで佐々木敦さんを知ったのも松岡さんに教えてもらったからで、なんというか、類は友を呼ぶというのか、佐々木さんもすごい人で、いまだに何者かよくわからない。


音楽や映画や演劇に詳しい人で、本を書いている人で、音楽レーベルをやっていて、イベントプロモーターで、政治批判して、雑誌編集して、ファストフード食べて、批評学校して、あ、あと文学フリマのあとで僕らと飲んだりしていた。


前説がついつい長くなってしまいましたが、そんな佐々木敦さんと松岡千恵さんと企画した小説家の連続トークセッションが本書です。






5月28号(목요일)

ブックカバーチャレンジ (4日目)


36.3度。異常なし。



(4日目) 難波和彦 "建築の四層構造"


建築から離れて久しいけれど、いまだに尊敬している建築家といえば難波和彦先生だ。


http://www.kai-workshop.com/diary/diary.cgi


僕が難波先生に教わったのはもう二十年くらい前だけど、その頃の先生のルーティンと今もまったく変わっておられない。


クライアントと話し合って、スケッチをおこして、所員や工務店とやり取りをしながら、時には現場に出向き、建築を実現してゆく。エンジニア志向の強い建築家なので設備や構造的な技術の改善も欠かさない。


今はもう退官されて、大学では教えておられないようだが、執筆や研究会など学術的な活動はずっとなさっている。そして、今も昔も毎日ずっと本を読んでいらっしゃる。


哲学者のカントを絵に描いたようなお方だ。


私も先生のルーティンを真似しようと何度もチャレンジしているがいっこうに身につかない。仕事がドタバタになって本をパタっと読まなくなってしまったり、移り気が多く、いろんなことに手を出してしまって振り回されたり。先生のようにコンスタントに毎日同じことをコツコツとこなすことがいつになってもできない。家早何友である。






5月27号(수요일)

ブックカバーチャレンジ (3日目)


36.6度。異常なし。

ペットボトルを忘れずに捨てた。很好。



(3日目) 松浦寿夫 岡崎乾二郎 "絵画の準備を!"


今はふつうに本を読むようになったけど、もともと本をまったく読めなかった僕が本を読むようになったのは岡崎乾二郎さんの影響だ。


大学のとき、僕は建築の学生だったけど、美術を勉強したくて出会ったのが岡崎さんだった。どこかのカフェで原広司(建築家)の様相論のダメ出しをしていて、何を言ってるのかさっぱりわからなかったけど、「このおっさんオモロそうや」と思ってレクチャーやワークショップに毎回通った。


その時の岡崎さんの話がことごとく面白かったので、教えてもらったいろんな作品やいろんな本を美術館や古本屋を渡りあるいて探しまわった。


岡崎さんと言えば "経験の条件" だが、旧知の仲の松浦寿夫さんとの漫談、いや対談形式のレクチャーが一番好きだ。本書はその記録。旧版には僕の質問も載ってたのに、新版で紙が良くなったのと引き換えにカットされた。まぁ、いい判断だと思う。


学生時代にこんな至福の時間を過ごせたからこそ今の僕がある。おかげさまで人生大失敗だ。


感謝しかない。






5月26号(화요일)

ブックカバーチャレンジ (2日目)



35.7度。異常なし。




(2日目) 保坂和志 "小説、世界の奏でる音楽"


本を読みはじめてから小説を読むようになったのはずいぶんあとになってからだけど、その時、読み始めたのが保坂和志さんだったと思う。小説家にしろ、哲学者にしろ、僕が本から読み取っているのは"思考"だと思う。






5月25号(월요일)

ブックカバーチャレンジ (1日目)



35.9度。異常なし。


先週Facebookでブックカバーチャレンジ走ったから、ブログにも載せておきます。




大学の後輩、尾坂さんからバトンを受けたので、ブックカバーチャレンジ今日から1週間走りまーす!


(1日目)刘慈欣 "三体"

話題のSF。翻訳版はまだ第一部しか出てないからすでに第三部まで揃っている中国語版でチャレンジ。ま、まだ読めるほどの中国語能力はないので字面を追うだけ。でも日本語より、簡体字の方が雰囲気が感じられてよいです。はい😜






5月23号(토요일)

米希亚



36.6度。異常なし。


中国語でカバーされている日本の歌が、僕が思っている以上にたくさんあるようだ。




中国語でカバーされていて中国でもよく知られている日本のアーティストがつくった名曲を中国のテレビ番組で日本のアーティストがカバーして熱唱しているのを聴いて僕も鳥肌が立った。


最初的梦想 紧握在手上
最想要去的地方
怎么能在半路就返航

最初的梦想 绝对会到达
实现了真的渇望
才能够算到过了天堂



纯享版:米希亚 《骑在银龙的背上》 《歌手·当打之年》Singer 2020





5月16号(토요일)

이태원 클라쓰



36.3度。異常なし。


中国語と韓国語を一日置きに勉強しようと思っていたのだけど、今週はずっと韓国語。といっても韓国ドラマを見始めたらとまらなくなってずっと観ていただけだけど....



『梨泰院クラス』公式予告編 - Netflix


人気があるというので観たらハマってしまった...


이태원 클라쓰(梨泰院クラス)


単なる恋愛モノかと思ったら、ビジネスの要素がけっこう強くて、僕自身の仕事のモチベーションを高めて、奮い立たせるという意味でとてもよかった。


まぁ、対立の図式で物語を動かすというのは僕の人生観に合わないのだけど、これは韓国特有の思考形式かもしれない。


朝鮮 と 日本

韓国 と 北朝鮮

全羅道 と 慶尚道


韓国って、いくら細分化しても対立の図式が無限後退してゆく。


ヘーゲルかよ!




ちょっと話が逸れたけど、やっぱりストーリーがよく練られていて、単純に次が観たくなって最後まで観てしまったよ 汗。。。


語学の勉強をするのにドラマを観るのがいいって勧められたのだけど、はじめはあまり気が乗らなかった。ドラマって70話くらいあるやつもあって、特に中国のドラマはだいたい長いので途中で疲れてしまうから、2時間で完結する映画の方がいいと思っていた。


けど、10〜30話くらいのドラマってはまると一気に最後まで観れてしまうのでやっぱりいいかも。


ま、語学の勉強もいいけど、コロナもちょっと落ち着いてきたから、そろそろ仕事もがんばろか。


화이팅!(ファイティン!)



[LIVE] 가호(Gaho) - 시작(Start) Band Ver. [이태원클라쓰 OST Part.2]





5月9号(토요일)

中华职业棒球



36.6度。ちょっと高めだけど異常なし。


しっかし、土日でもまだ何もできない。


はやく演劇とプロ野球が再開してほしい!


www.nikkansports.com


プロ野球は6月19日に開幕かー、あと1ヶ月!


演劇はもうちょっと時間かかるかな...




甲子園ロスが激しいので、中川家YouTubeで脳内イメージを補ってる。


ドゥオン!ドゥオン! ドゥオン!ドゥオン!ドゥオン!



ピコ虎会 こんな先生いたら楽しいなぁ♪




まあ、そんなところで、家でツイッターを見ながら沈んでいたら、台湾プロ野球のライブ中継が流れてきた。



んっ? 台湾になんで楽天がいるねん?


なんか不思議な感じやけど、どことなく日本の楽天の選手のバッティングフォームに似ている気がする。


しかも、対戦相手の中信兄弟は、ユニフォームが阪神みたいで親近感がわく!


ふだんは日本のプロ野球を観ていて、台湾プロ野球はほとんど観たことないから、知っている選手もいないし、投手の制球力も日本のピッチャーより劣るけど、だんだん観ていて楽しくなってきた!




なんというか、台湾独特の応援スタイルがあるんですよね。


スタンドにチアガールがいる!


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しかもチアのダンスがゆるゆるで癒される(笑)


アメリカのチアのように見せつけるようなダンスではなく、



Dallas Cowboy Cheerleaders dancing to "Shakin' That Tailgate" by Trailer Choir


六大学のチアのように規律正しいダンスでもなく、



紺碧の空~魁~大進撃~コンバットマーチ~紺碧の空


とて〜もゆる〜〜〜い



峮峮回來啦 20190326 開幕戰 敲可愛的陳子豪應援!!


この峮峮ちゃんというチアはすごく人気があるらしく、なんか高橋留美子のマンガに出てきそう。



人気がでる理由がわかる気がする。


ユニが阪神タイガースに似ているし、峮峮ちゃんがいるから、僕も中信兄弟を応援することにした。


楽しみ!


あと、勉強になるのは、台湾プロ野球は球場にもうお客さんを入れているのだけど、まだ新型コロナの感染リスクがまったくない訳じゃないから、観客数に1,000人という上限を設けている。


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客席は隣との距離をちゃんと取っている。


そして、すごく頭がいいのは、お客さんをフルに入れられないからといって開催を見送るのではなく、ひとまず1,000人入れるところからスタートして、試合をちゃんとツイッターでライブ中継して、世界に発信しているということ。


だから、日本にいる僕も観た!


sports.yahoo.co.jp


観客をフルに入れられないというのは、興行としてはマイナス条件だけれども、世界でプロ野球の試合を開催できているのは、台湾と韓国しかまだないというのはプラス条件。日本やアメリカではまだプロ野球が始まっていないから、世界中に野球を観たいと思っている人がたくさんいるはず!


そう、だから日本にいる僕も観た!


実際に、あるプラットフォームの配信では1週間でのべ700万人の視聴者がいたらしい。


これで放映権と広告料を取れば、採算が取れるようになってくるよね。


じきに日本やアメリカでもプロ野球が始まって、視聴者が離れていくだろうけど、その頃には球場にもっとたくさんお客さんを入れられるようになっていて、通常営業ができるようになっていくよね。


天才IT大臣といい、台湾から学べる点は多い。


このような前向きな発想ができる人たちは、


僕らに速度と角度を与えてくれる。





5月5号(화요일)

在宅勤務は定着するのか?



36.1度。異常なし。


昨晩は大学の同期とZOOM飲み。


東京を離れて久しく、なかなかみんなと会えないので、ああやって飲めたのはよかった。ただ飲むのはやっぱり場を共有するというか、その場の雰囲気を楽しんでる面が強いので、実際に会って飲むほうがいいかも。


しかし、テーマを設けて議論するならZOOMでも全然いけるかなーって思った。昨日、一番面白かった話は、


《コロナ禍》から《コロナ後》へ、世の中がどのように変わるのか


コロナ後は、中国とアメリカの駆け引きが激化するという話が一番興味深かった。アメリカが新型コロナウイルスの感染防止に四苦八苦している様子をみても、国力が相当落ちていると感じるし、世界のパワーバランスが変化する。


日本もこれまでのようにアメリカの顔色を伺っていればよいという時代は終わると思う。中国の動向を絶えずチェックせねばならないし、韓国ともよきライバルとして競いあっていかねばならない。我々も彼らのようにもっと勉強せねばならない。


ただ、これはテーマとして大きすぎる問題なので、引き続き勉強するとして、もっと身近な問題として面白かったのは、ライフスタイルや建築の用途区分の変化について。例えば、住居とオフィスがくっついたり、病院とホテルがくっついたり、今までだったらカテゴリーミステイクだったものがそうでなくなるという話。


SOHO


僕らが学生だった20年くらい前、マンハッタンのSoHo地区の住居環境をモデルにした、「SOHO (Small Office Home Office)」というライフスタイルの提唱が流行っていた。



SoHo地区は小規模のギャラリーやデザイナーの事務所が多く、また当時はマンハッタンのなかでは家賃が比較的安かった?から、アートやファッションに興味がある学生やデザイナー、アーティストが数多く住み着いていた。そして、彼彼女らは、そこで仕事をしたり、展示会を開いたり、勉強会をしたり、バーで飲んで語りあったりしていた。そこでは仕事と生活の幸せな関係がコンパクトに成り立っているというので、それをもっと他の国や地域でも広げられないかというムーブメントがあった。




日本では、SoHo地区の利点をそのままという訳ではないが、通勤地獄を緩和させるという文脈で受け入れられ、今の在宅勤務(テレワーク)をやろうという人がそこそこいた。



ちょうどサイバーエージェントライブドアといったITベンチャーが世間を賑わせていた時で、フレックスタイム制という勤務形態や成果報酬制という賃金形態もこの頃から取り入れられるようになってきたと思う。


しかし、成果報酬制というのはそこそこ普及したけれども、在宅勤務を認める企業はほとんどなかった。その後も東日本大震災の時に帰宅難民者が出るなど、在宅勤務に追い風が吹いたし、フリーランスを中心にノマド(所定のオフィスを持たないワーカー)なんかも現れたけれども、SoHoというライフスタイルは、2020年のコロナ以前はあまり定着していなかった。


定着しない理由として、2つ考えられる。


(1)通信インフラがまだ整備されていなかったから


インターネットが普及したとはいえ、メールは全然問題ないけれども、データのやり取りがスムーズでなかったし、動画レベルのデータ交換はほぼ無理だったので、仕事の制限が多すぎて、けっきょく集まって仕事をした方が効率がいいということになった。



(2)安定したパフォーマンスを示せないから


会社に行って1日8時間働くといっても、実際さぼっている人は多々いるだろう。しかし、やっぱり会社に行ったら、それなりに働く。特に日本人は。それを1日や2日ではなく、何年もずっと続ける。この習慣によるパフォーマンスはバカにできない。


⚪︎学生と社会人の比較

例えば、学生と社会人のパフォーマンスを比較すると、学生は試験期間中は徹夜して勉強するから、その期間だけで言えばパフォーマンスは高い。ただ普段はあまり勉強しないから、年間のトータルパフォーマンスで言えば、社会人に負ける。社会人は徹夜はしないけど(たまにするけど)、1日8時間毎日コンスタントに仕事をするから、トータルでは学生に勝つ。


また、アメリカの修士の学生や日本、韓国、中国の大学受験生のように詰め込みの勉強をする人たちは2,3年間ずっと勉強しっぱなしなので一番パフォーマスが高いけれども、あれは一種の修行みたいなもので、また詰め込む対象が比較的明確だからできるわけで、やはり2,3年が限界だと思う。


⚪︎アメリカと日本の比較

あるいは、アメリカと日本を比較して、アメリカは労働生産性が高く、そのライフスタイルの自由さを主張する人は多いけれども、労働生産性の比較で、単純に為替レートをそのまま採用して比較してよいのかという問題がある。


なぜなら、為替レートは、労働の質や量によって決まるわけではなく、国力の問題が大きく絡むから。米ドルは世界の基軸通貨だし、その基軸通貨としての信用を保持するためにアメリカはあらゆる金融政策を打っていて、例えば変動相場制の採用がその最たるものだし(変動相場制採用前のレート:1ドル=240円なら、日本も外国に物を売りやすいし、ここまで必死になって働かなくてもいいはず)、なんといってもアメリカは軍事力が日本とは比較にならないほど強大だから、世界的な信用度が全然違う。


つまり、為替レートが決まるのは労働生産力以外の要素が多分にある訳で、日本人がアメリカ人と同じくらいの労働パフォーマンスを示す程度なら、日本なんてすぐに潰れちゃうという理解でいいんじゃないか。


⚪︎フレックス、長時間労働

またフレックスタイム制の人は、仕事が8時間で区切れないから、ある日は10時間以上ぶっ続けで仕事をして、翌日は朝ちょっと遅めにスタートをするなどの調整をするのはよいとしても、慢性的に深夜にまで仕事が及んでいる状態の人の労働パフォーマンスはけっして高いとは言えない。そういう人はほぼ毎日、朝が遅くなるし、チームで動いている場合は、朝イチのショートミーティングなどができず、チームワークが悪くなり、結果としてチームとしてのパフォーマンスが落ちる。


また終電組という長時間労働の代名詞のような人がいるけれども、終電で帰るというのは、仕事がきっちりと終わって帰るわけでなく、仕事が終わらなくて終電でしぶしぶ帰るということ。つまり、仕事がマネジメントできていないということ(会社側がマネジメントできていないか、個人がマネジメントできていないか、両方かはケースバイケースだけど)。


要するにフレックス勤務や残業で深夜勤務が慢性化している仕事というのは、帰るのが遅くなるのでやった気分になっているだけで、仕事自体のパフォーマンスは決して高くない。


だからフレックスタイム制は、結局、プログラマーなどの特殊技能者で、自己完結性の強い業務、さらに成果を評価しやすい業種に限って採用されている傾向がある。あとはパフォーマンスどうこうではなく、どっちみちパフォーマンスの低い人が、自分の都合で導入していることは多々あるだろうけど。


さてさて。


⚪︎在宅勤務は普及するのか

今回、新型コロナの影響で、在宅勤務(テレワーク)をすることになった人は多々いると思う。その場合、(1)は大丈夫じゃないかと思う。企業のスケールで考えると、セキュリティーの課題がまだあるものの、ZOOMやSkypeテレビ会議ができるし、メールやLINEで仕事のやり取りもできる。商談等でお客様のところに行かねばならないことはあるだろうが、在宅でも十分に仕事ができる通信インフラが整備されてきた感はある。しかし、問題は(2)だ。


1,2ヶ月の期間限定ならいいが、年間単位のトータルパフォーマンスを維持できるだろうか?


実際、この1,2ヶ月でも在宅勤務になったら生産性は落ちている。もともと周りが止まってしまって通常時のように稼げないから、在宅でもOKということだけど、本当に稼がねばならないという時に、在宅でパフォーマンスを示せるか? 会社が潰れないくらいの収益、パフォーマンスを上げられるかとなるとまだまだ疑問が残る。


また在宅勤務の場合は、成果の評価の仕方も難しいので、完全成果報酬制にするか、あるいは勤務の管理が行き届かないので、残業は認めにくくなるし、裁量制という方向へ向かって行くのかなって思う。


在宅勤務はまだまだ課題が多いし、よのなか全体が在宅勤務の方向へシフトするかどうかはわからない。





5月1号(금요일)

成都




35.9度。異常なし。


中国人の知り合いに「重慶ってなんであんなに栄えているんだ?」と聞いたら、苦笑いしながら「日本のおかげだよ」と言われた。


なんのことだか、さっぱり分からなかったのだが、戦時中に日本軍が南京を攻めて、そこから逃げだした蒋介石重慶に隠れ、イギリスやアメリカの後方支援を受けていた。その名残で重慶は今でも経済的に発展しているということだった。


いま中国でイメージできる都市は、上海、北京、あと深圳くらいだ。武漢の人口が1,000万人と言われても、「はっ?武漢ってどこやねん?東京より人口多いやん」という感じで全然ピンとこなかったが、中国には上海や北京以外に、西安重慶成都、広州、杭州、天津、大連、ハルビンなど、大きな都市がまだまだたくさんある。


そういったこともあり、ジャ・ジャンクー(贾樟柯)の『四川のうた』(『二十四城记』)を観た。



四川のうた(字幕版)


四川省省都成都が物語の舞台。成都にある軍事国営工場の土地が民間の不動産会社に買収されて、工場が取り壊されることになった。その国営工場で働く人々のインタビューを通じて、中国社会の移り変わりを表現している。


例によって、成都と言われても全然ピンとこない。「四川省といえば四川料理!麻婆豆腐がめっちゃ辛くて、パンダがたくさんいるんだろ」というくらいしかイメージがわかない。


あとはYouTubeで見つけた《成都》という歌のイメージくらいか。



音乐圈的清流!赵雷质朴演绎《成都》掀起清新民谣风 -《歌手2017》第3期 单曲The Singer【我是歌手官方频道】


地理的にもかなり奥地だし、アメリカでいえばウェストバージニアくらいのイメージか?ふるさと感たっぷりの土地のようだ。


映画は2000年前後だから、成都の街並みにはまだまだしっとりした感じがある。一方で、今、上海や北京に行ったら、あっけらかんとしていて、表面的には欧米のテイストそのまんまという感じだ。



Shanghai China 4K


ただ、僕が中国について一番興味があるのは、この映画で描かれている時代。「やれ毛沢東だ!やれ大躍進だ!やれ文化大革命だ!」とかなり極端な政策下にいた人々が、解放路線に転じていくなかでどのように変化していくのか。そして、中国の本質はどのようなものなのかということだ。


そういった意味で『四川のうた』は、すごく魅入ってしまう映画だった。


ただ、その工場で働いている人々やそこに関わる人々のインタビューのカットが、あまりにも綺麗にできすぎているので不自然に思っていたら、素人ではなく、俳優がインタビューに答えているとのことだった(一部素人、一部俳優?)


一見ドキュメンタリーと思って信じてしまったら、実はフェイクドキュメンタリーだったということなのだが、ここにもジャ・ジャンクー(贾樟柯)の意図が垣間見られる。


たとえドキュメンタリーだとしても鵜呑みにするなよ。


僕自身、中国のことを知りたくて資料的な見方をしていたので、してやられた。


しかし、彼に悪意は感じられないし、コンテクストを歪めているようにも感じられない。現状の中国における表現規制の問題もあるだろうし、また作家が作品にどこまで介入すべきかという判断の問題もある。


そういった諸々の事情やメタレベルの葛藤もふまえた上でのドキュメンタリー、ありのままの成都、ありのままの中国ということだろう。


リアリティの再定義。


実にクールな作品だ。


その他、作中にイェイツの詩が幾度か引用されるのだが、イェイツがまるで諸子百家のように漢書を綴っているような気がして面白かった。


秋叶繁多 根只有一条

在我青春说谎的日子里

我在阳光下招摇

现在 我萎缩成真理

―― 叶芝



あと、工員の青春時代の想い出ばなしのなかで、山口百恵のドラマのエピソードが語られるのだが、中国に受容された山口百恵を聴くと、なんだか日本にいる以上にその時代のリアリティが感ぜられるのであった。




山口百恵 赤い疑惑(血疑)主題歌 ありがとう あなた






 

 

 

 

 2020年4月日記Z

 

 

 

 阪根Jr.タイガース

 

 

 

 阪根タイガース