日記Z 2017年1月




1月15日(日)

東京大学





「砲声一発浦賀の夢を破って」とはじまる講義を聞いていたのは、僕ではなく、三四郎(夏目漱石)である。このフレーズをなぜ思い出したかというと、センター試験が行われているので学生気分を取り戻そうと思って『三四郎』を読み直したからではなく、たまたま読んでいた熊野純彦先生編著の『日本哲学小史』に出てきたからだ。



熊野先生が哲学をテーマにした本にこのフレーズを引いたのは、夏目漱石が哲学的思考を多分に展開した人だからということもあるけれど、端的に、この演説口調の講義をしていた先生のモデルとなっているのが、東大哲学科で最初の日本人主任教授となる井上哲次郎だからだ。



砲声一発浦賀の夢を破ってという冒頭であったから、三四郎はおもしろがって聞いていると、しまいにはドイツの哲学者の名がたくさん出てきてはなはだ解しにくくなった。机の上を見ると、落第という字がみごとに彫ってある。よほど暇に任せて仕上げたものとみえて、堅い樫の板をきれいに切り込んだてぎわは素人とは思われない。深刻のできである。隣の男は感心に根気よく筆記をつづけている。のぞいて見ると筆記ではない。遠くから先生の似顔をポンチにかいていたのである。三四郎がのぞくやいなや隣の男はノートを三四郎の方に出して見せた。絵はうまくできているが、そばに久方の雲井の空の子規(ほととぎす)と書いてあるのは、なんのことだか判じかねた。



夏目漱石三四郎』より)



森見登美彦が描く京大も好きだが、夏目漱石が描く東大はすこぶる良い。なんだかとても楽しそうなところで、僕も頭がよければ、ぜひ通ってみたかった大学である。ただ、そんな東大も近年はグローバル化の波に飲み込まれて、画一的な偏差値教育の場へと下げすさんでしまい、漱石がいたころの良き東大の面影はなくなってしまっているようだけれども...






西山雄二×熊野純彦トークセッション




哲学と大学


〜大学において私たちは何を希望することを許されているのか〜

日本哲学小史 - 近代100年の20篇 (中公新書)

日本哲学小史 - 近代100年の20篇 (中公新書)



三四郎 (角川文庫)

三四郎 (角川文庫)




1月14日(土)

「砲声一発浦賀の夢を破って」とはじまる講義を聞く...




1月7日(土)
そう言えば、箱根駅伝3連覇を成し遂げた青山学院大学陸上競技部・原晋監督の本を昨年読んだのであった。駅伝は一発勝負であり、また団体戦なので、誰か一人でもブレーキになると勝てない。だから、安定した成績を出すのはものすごく難しいはずなのだけど.... にもかかわらず、これだけ安定した成果を出せるというのは非常に興味深い。 ただ本を読んだ率直な感想を言えば、原晋監督はものすごくオーソドックスなチーム作りをしている。好成績の一番の秘訣は「目標を見える化すること」と「あれもこれもやろうとしない。着実に一歩一歩チームを創ってゆくという姿勢」だろう。昨年の日記を再掲載しておく。

《過去日記》2016年8月13日(土)ビジネスとスポーツ




青山学院大学陸上競技部・原晋監督の本は面白かった。2冊あって内容はほぼ同じだけど、こっちの方が読みやすかった。





私が原晋監督から学んだのは3点



(1)土台をつくること


(2)目標を管理すること


(3)規則正しい生活をすること

(1)土台をつくること



こちらが目指すゴールにリアリティがあるかどうかということです。私が監督に就任したばかりのチームの状態で、「箱根駅伝、優勝だ!」「箱根から世界を目指そう!」と言ったところで、28年間も出場できていないわけですから説得力の微塵もありません。当時、スカウトの現場でも強化部1期生の選手を集めたミーティングでも話していたのは以下のようなことでした。


「目指すのは箱根駅伝出場だが、実現できないかもしれない。しかし、私は10年で優勝を狙えるチームを必ずつくる。そのための礎になってくれ。優勝したときには必ず君たちの頑張りを伝えていく。この一歩がなければ優勝できなかったと」


嘘いつわりのない現実と将来のビジョンを本気で伝えられれば、この人は本当にやるんじゃないかという印象を相手に与えられるものです。だからこそ、かつての選手たちは弱いチームに入部してくれたわけだし、本気で箱根駅伝出場を目指して頑張ってくれたのだと思っています。(PP.100-101)


(私の感想)
こう言える原晋監督はすごいと思う。人というのはたいてい背伸びしてしまう。例えば、甲子園に出たこともないのに「1年で甲子園で優勝」と目標を掲げたり、偏差値30なのに「1年で東大合格!」ってついつい言ってしまう。そういう目標は実現しないし、むしろやらない方がよい。やはり順を追って作り上げていかねばならない。原晋監督はチーム作りを次の4つのステージに分けて行っており、ステージ1に3年かけたそうだ。






(2)目標を管理すること



目標を設定するときに気をつけたいのは、「目標を半歩先にする」ことです。現状からあまりに遠過ぎるとなかなか成功体験が得られず、自信につながらないし、近過ぎるとただこなすだけになって成長につながりません。(P.119)


目標を設定するうえで大切なのは、「組織の目標」と「個人の目標」を分けて設定することです。(中略)青学陸上競技部のゴールは、箱根駅伝優勝です。そのためのチーム目標が1万メートル10人の平均タイムで、現状は28分40秒です。もちろん個々の選手を見ると速い人もいれば遅い人もいます。なかには自己ベストが30分の選手もいます。


では、その部員が29分30秒で走ったときに、どう判断すべきでしょうか。チームの目標から見ると物足りないタイムです。しかし、本人は自己ベストを30秒も更新しています。個人目標がなければ、ここで自己ベストを記録した選手に「目標は28分40秒なんだから、29分30秒で喜んでもらっては困る!」という指導になります。


これでは、その選手のモチベーションが上がるわけもなく、その後の成長が期待できなくなります。それどころか、チームの足を引っ張る存在になりかねません。


ところが、個人目標を設定しておけば、「頑張ったね。来年は29分10秒を目指してみよう」という指導になります。その一言で選手の練習に対する姿勢が前向きになり、やがてチーム目標に近づいてきます。


平均タイムを下回る選手をいかに引き上げるか。それがチーム力の底上げになり、チーム全体を強くしていくことになります。


pp.113-114.



目標を管理するうえで大切なことは、設定した目標を紙に書き出すことです(P.114)



(私の感想)
山登りで好タイムを出した神野大地選手の目標管理シートだが、案外ざっくりしている。おそらくビジネスで使用する目標管理シートの方がもっと細かく書かれていることだろう。しかし、この目標管理シートがすぐれているのは、「やるべきこと」が明快であり、すべて反復継続的なアクションであるということ。やることは単純だけど、毎日繰り返すから確実に力になる。対して、ビジネスの場合は目標管理シートの体裁は整っているが、やるべきことがいっぱいありすぎて、しかも持続性がない単発物が多く、玉をたくさん撃つ割には結局、力にならないことが多い。



(3)規則正しい生活をすること


陸上選手の核は、「規則正しい生活」と「適切な栄養補給」なのです。



青学陸上競技部の場合、朝5時起床、門限22時、消灯22時15分が基本です。また、朝食と夕食は栄養を管理した寮の食事をとり、寮内の自室はもちろん、食堂や廊下など共有部分は全員で掃除します。特別な生活スタイルではありません。ただ、こうした人として当たり前の生活を定着させるのに、3〜5年はかかりました。(P.162)


※ あと特筆すべきは、箱根駅伝のような一発勝負の場合、当日にコンディションを合わせるピーキングという訓練を行っているということ。駅伝の場合、通常3ヶ月でピークにもっていけるそうで、3ヶ月前から準備をしてコンディションを当日にピークにもっていく取り組みをするそうだ。






1月5日(木)

2017年スタート!!




本当は1日早く昨日から始動した方がよかったのだけど、これから1年間走り切ることを思うと体が動かなかった。休むときは休む、まあ、今日はちゃんと5時に起きたから、それで良かったと思う。



今日はまずまずのスタート。新システムの説明会→課内MTG→営業アクションアイテムMTG。やや準備不足もあったけれど、サクサクと進んで良かったと思う。



昨年12月に売上目標を達成した。いろいろな要因が考えられるが、各自が目標数値を頭に入れて行動したことが功を奏したのだと思う。目標をしっかり持って行動するのとなんとなく行動するのでは結果が明らかに違ってくる。まずはそれができるようになってきた。攻撃(オフェンス)の形が出来てきた。



次は守備(ディフェス)の形を作っていく必要がある。管理と情報共有。



例えば販促ツール(武器)を担当者が個々人で所持していたら、各々がツールを作らねばならないし、その人数分必要になってくる。これをメンバーみんなで共有すれば、いちいち作らなくてよいし、足りないものをみんなで手分けして徐々に補っていき、手直しをしていけば、十分に使える武器が揃う。



また攻撃(営業)しつつ、武器を手入れしたり、店を掃除したり、備品を補充したりといった守備(管理)の意識がやはり必要になってくる。オフェンスとディフェンスの両者をトータルしたパフォーマンスを示せるようになって初めて、持続的に成果を出せるようになる。



さらに現在は、直営店販売、国内営業、海外営業とチームが分かれ、さらに海外は中国・東南アジアチームと北米チームに細分化されている。そして、それぞれが厳しいノルマを担っており、自分のことでいっぱいいっぱいで他のチームがどのような動きをしているのか? どうやって成績を上げているのか? あるいは落としているのか? ほとんど知らない。やはりこのあたりも縦の動き(攻撃)だけではなく、横の動き(守備)が必要であり、情報交換、情報共有、つまりコミュニケーションが重要になってくる。



これに加えて、これらの営業部門の動きを商品課であったり、開発課がタイムリーに援護射撃していくというのが理想のチームと言えるだろう。



本日1月5日、2017年のスタートの日に、このようなことをみんなで話し合えたので良かったと思う。いいスタートだと思う。冷静に一歩一歩前進して行こう!!




2017.1.5 朝6:30 東京タワー









1月3日
混雑を避けて早朝の新幹線で帰京。
今年は富士山が綺麗に見えました。





1月1日
新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。写真は実家から観た初日の出。海を撮りたかったけど、太陽が生駒山のほうにあったのでほとんど陸地しか写ってません。でも、なんか大阪湾がどんどん狭くなっていくなーって毎年思います。ちなみに太陽写ってませんね。シャッターチャンスを逃して雲に隠れてしまいました。こんな感じですが、今年も頑張ります。よろしくです!!


太陽が雲に隠れちゃったけど初日の出











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