2010年4月(その2)
(4月30日)やっと洗濯ができた!
■ 古川日出男『MUSIC』(新潮社)読了。
■ これ、読んだ人います? けっこう凄いことやってるよね。ひと言でいえば、漱石へのオマージュということなんだろうけど、これ、漱石が読んだら、あるいは聴いたら、鼻血出してぶっ倒れるぜ!!!
■ 序盤は「なんじゃ、これ?」「いったいどこから世界を視てるんだ?」という感じでなかなかイメージできずてこずったけど、「こりゃ、根本的に小説の読み方を変えなきゃにゃらんにゃー」と悟ったぐらいからは乗れたよ。
■ やけに細かい地名とか出てくるのね、東京都港区青山霊園、赤坂一丁目、芝公園、品川駅とか、京都府京都市東山区、伏見区、標高二三三メートルの稲荷山のふもとの駅、西陣織会館とか、その地名がイメージを明確化するのに全然役立たないっていうか、詳しく書かれれば書かれるほど、東京が歪む、京都が歪む、歪む、歪歪歪歪歪歪歪という感じでもってかれるのね。ひでおにゃ〜るどに。
■ そして、さいごはわろーたね、笑、笑、笑、笑笑笑笑笑笑笑。琳派とか若冲とか鳥獣戯画とか詳しくないけどね、わろーたWWWWWWWWWWWWWWWWWW.かなりぶっ飛んでるけど、古川説もまんざらではない!!!!!!!!!!!!
■ 改めて言うと、こういう作品が出てくるから同時代小説って面白いんですよ。声とか詩とか身体とか小難しい本読んでもなかなか分からないけど、古川日出男ワールドを体験したらビビビって来ますよ。
■最後にちょっと余計なこと言いますけど、「古典的名著」重視の人にこそ読んで欲しいです。というのは、古典が重要なのは分かるけど、そういう人に限って「近頃の小説はなっとらん!」って同時代小説を読んでないくせに(あるいは読めないくせに)言うんですよ。
それで問題なのはね、古典ってもう評価が定まっている訳ですよ。だからある意味、楽なんですよ。「漱石はすごい」って言えばすむから。誰にも文句言われない。
それに対して、まだ評価が定まっていない、いま、生まれたばかりの作品を読めるかどうかって、プロの研究者にとってもまさに《生命線》だと思うんですよ。
ぜひ、挑戦してみてください。そして感想を表明してください。「こんなもん、小説じゃない!!!!!」でもいいですから。
《5月7日(金)18:30スタート》受付中
『MUSIC』刊行記念トーク
■出演: 佐々木敦×古川日出男
■ 会場:ジュンク堂書店新宿店(8F喫茶コーナー)
■ 入場料:1,000円(1ドリンク付)
■ 申込み:ジュンク堂書店新宿店7Fレジカウンター
TEL:03−5363−1300
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/04
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 61回
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- アーティスト: フルカワヒデオプラス,古川日出男
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- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/06
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(4月29日)演劇ラッシュ
■ 外堀と因島がなんかやってるなって思っていたら、いつのまにかこんな棚ができてました。
《演劇フェア》開幕!!
会場:ジュンク堂書店新宿店(7F東フェア棚)
五月は注目公演が目白押しだにゃ
(4月28日)虎×4発
■ 古川日出男『MUSIC』(新潮社)がで・で・でました!!!
■ 卯月の読納め。
■ いざ日出男にゃ〜るど
《5月7日(金)18:30スタート》受付中
『MUSIC』刊行記念トーク
■出演: 佐々木敦×古川日出男
■ 会場:ジュンク堂書店新宿店(8F喫茶コーナー)
■ 入場料:1,000円(1ドリンク付)
■ 申込み:ジュンク堂書店新宿店7Fレジカウンター
TEL:03−5363−1300
(4月27日)洗濯ができなかった。
■ 原稿(第2稿)を写真家のY氏にメールで送る。
◎DIVISION-1
□□ 会期:2010年5月14日(金)−6月1日(火)
□□ ギャラリートーク:5月22日(土)16:00
出品作家×クボタ タケオ(美術家)
◎DIVISION-2
□□ 会期:2010年6月4日(金)−6月22日(火)
□□ ギャラリートーク:6月12日(土)16:00
◎DIVISION-3
□□ 会期:2010年6月25日(金)−7月13日(火)
□□ ギャラリートーク:ギャラリートーク 7月3日(土)16:00
出品作家×小林美香(写真研究者)
□□ 会場:アップフィールドギャラリー@水道橋
■ 《DIVISION-2》の村越としやさんと山方伸さんの展示の際に販売される図録に文章を寄稿します。
(4月26日)恵比寿さん、福来れ!そして富をワレに!
■ あのコンビがまたやらかしてますぜ!!
(4月25日)鰰みくじを引きました。ちぇっ、ふぐかよ!
《鰰 hatahata上演中!!!》
(4月24日)文学を拡張せよ!!!
■ 山田さんのおかげで今日もお客様がいっぱい!
■ そうそう。告知忘れてました。すみません。忙しかったり、スタミナが切れたりで遅れました。お許しください。
■ ジュンク堂書店大阪本店で《文学拡張大作戦フェア》やってます。
《文学拡張大作戦フェア@大阪本店》
■ 4月末までは開催するとのこと(延長するかもしれません)。
■ 関西にお住まいの皆様、ぜひお立ち寄りください!!!
※ この企画は青土社さんの協力により実現しました。人文書・文芸書共に、東京で活動されている著者がほとんどなので、東京圏外になかなか声が届かないんですね。それが売上の数字ではっきり出ているのです。ツイッターなど全国津々浦々まで声が届くインフラが整いつつあるので、なんとか盛り上げて行きたいと思います!!!
- 作者: 佐々木敦
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2009/12/25
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- 作者: 前田塁
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(4月23日)観劇デー
■鰰 hatahata『動け人間』を観劇
(4月22日)
ドキュメンタリー
(4月21日)
■ 「1Q84《BOOK3》」を読了。(以下ネタバレあるよ)
■ 終わった気がしない。しかし同時にここが村上春樹の限界だとも思う。
■ 《BOOK3》の斬新な点は、ウッシーを含め「生」を絶対的に肯定したということ。《BOOK2》で終わっていたら「青豆が自らの命を絶って天吾を救ったこと」を信条とせざるを得ない。これだと自爆テロを肯定することになってしまうという問題が生じるが、それを村上さんは《BOOK3》で封じ込めたのだろう。
■ その反面《BOOK3》をリリースしたことによって、《BOOK2》まではよのなかへ響いていた「1Q84」という世界の効力が弱まってしまった。《BOOK3》では「青豆&天吾=世界」と言え、「1984⇔1Q84」は二人の出会いを演出するための単なる舞台に成り下がってしまっている。そのため『1Q84』は、俗に言う「セカイ系」として括り捨てられてしまう危険性がある。
■ 《BOOK3》によって新たに生まれてしまった問題を阻止するためにも《BOOK4》《BOOK5》を村上さんに期待したくなるのだが、しかし無理だろう。
■ なぜなら、村上春樹はそもそも「純愛」を書ける作家ではないから。
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(4月20日)観劇デー
(4月19日)
鉄人の魂は永久に不滅です。
これまでのプロ野球生活で、胸を張って自慢できることがひとつある。それは、
「たとえお金にならないことでも、やるべきことを、全力を尽くしてやってきた」
ということだ。私にこだわるものがあったとすれば、そのことにほかならない。2000年5月12日の対中日戦の第三打席を最後に、翌年9月28日の横浜戦第二打席まで、私は1002打席にわたって一度も併殺打を記録しなかった。これは、あまり知られていないが日本記録である。それまでの記録は、39年前の1962年に毒島章一さん(東映フライヤーズ)が達成した900打席だった。
セ・リーグ会長特別表彰を受けたとはいうものの、タイトルではないし、ましてや給料が上がるわけではない。凡退したわけだから打率は下がるし、たんに併殺を免れただけのことである。それに、連続無併殺は、ランナーが併殺を阻止するために懸命に走り、スライディングしてくれたからこそ続いたもので、自分ひとりの力でできたのではない。
ただ、常に全力疾走を心掛けていなければ達成できなかった記録でもある。それを私は誇りに思う。
守備にしても、いつも全力で守ってきた。外野手というポジションは、守備はそこそこでも、打つことさえそれなりにやっていればそれほど批判はされない。大目に見てくれる。一年にエラーを20個しても、3割30本塁打をマークすれば、絶対に給料は上がる。事実、ほかのチームを見れば、そういう外野手はたくさんいる。
だが、私は自分自身に対してはそれを許さない。
走塁も同様だ。盗塁はともかく、いくらいい走塁をしても、より評価されるのはランナーを返したバッターである。暴走と好走は紙一重というが、アウトになれば「何をやっているんだ!」と叱咤される場合もある。
連続フルイニング出場にしても、「すごい」とほめられはしても、直接お金として返ってくるわけではない。適当に休んでそれなりの成績を残したほうが給料は上がるし、トクなのである。
それでも私は、セーフになるチャンスがあれば、一塁に全力疾走する。果敢にボールを追うし、つねに次のベースを目指そうとする。
なぜなら、
「たとえお金にならないことも、全力でプレーするのがプロ」
そう思っているからである。
そのせいで大ケガをして、連続フル出場記録が途切れたとしても、いっこうにかまわない。
「いつケガをしてもいい」
そういう覚悟で私はつねに試合に臨んでいる。その覚悟がなければ、全力でプレーすることなどできやしない。たとえ連続フルイニング出場が途絶えたとしても、また次の日からはじめればいいだけの話だ。
逆にいえば、そう考えているからこそ、「できるあいだはフル出場したい」と強く思えるのではないか。気持ちはあっても、身体が動かなくなったら、それまでだ。だからこそ、どんなにしんどくても、プレーできないようなケガをしていても、歩けないほど身体が痛くても、すべて我慢して出場したいと思うのである。
何をするにせよ、しっかりと覚悟さえ決まっておけば、どんなことがあっても気持ちがブレたり、崩れたりすることはない。それが、これまでの私のプロ野球生活を支えた信念であり、いまもつねに自分自身にいいきかせているモットーである。
金本知憲『覚悟のすすめ』角川ONEテーマ21 pp.178-181.
- 作者: 金本知憲
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