2010年4月(その1)
(Xデー)
Mission:Pistils
阿部和重だ!
阿部和重はアツイ男だ!!
阿部和重節炸裂!!!
トーク大成功!!!!!
阿部和重先生、佐々木敦先生、ご来場頂きました皆様、本当にありがとうございました。
■ 阿部先生と邂逅!!!!!
だから小説はやめられない!!!!!
■ この世に新たな小説が生まれる限り、ミッションは終わらない。
(4月15日)Xデーがくるわ!
阿部和重はどうしてここまで待たせるのか!!!!!(H)
みなさ〜ん、お待たせしました!!!!!
Xデー、ついに来る!!!!!
もちろん、トークもやります!!!!!
《4月16日(金)18:30スタート》満員御礼
■出演: 佐々木敦×阿部和重
■ 会場:ジュンク堂書店新宿店(8F喫茶コーナー)
■ 申し訳ございません。予約のないお客様は入場できない可能性が高いです。ご了承ください。
※ どちらを読むかお悩みの方???
※ 2冊とも読むことをオススメします!!!!!
- 作者: 阿部和重
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/03/24
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- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/04/16
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(4月14日)Xデーまであと2日
暖簾を滑って小さな坊主頭が
「御免、一つ剃って貰おうか」
と這入って来る。白木綿の着物に同じ丸絎の帯をしめて、上から蚊帳の様に粗い法衣を羽織って、頗る気楽に見える小坊主であった。
「了念さん。どうだい、此間あ道草あ、食って、和尚さんに叱られたろう」
「いんにゃ、褒められた」
「使いに出て、途中で魚なんか、とっていて、了念は感心だって、褒められたのかい」
「若いに似ず了念は、よく遊んで来て感心じゃ云うて、老師が褒められたのよ」
「道理で頭に瘤(こぶ)が出来てらあ。そんな不作法な頭あ、剃るなあ骨が折れていけねえ。今日は勘弁するから、この次から、捏ね直して来ねえ」
「捏ね直す位なら、ますこし上手な床屋へ行きます」
「はははは頭は凹凸(ぼこでこ)だが、口だけは達者なもんだ」
「腕は鈍いが、酒だけ強いのは御前だろ」
「篦棒(べらぼう)め、腕が鈍いって・・・・」
「わしが云うたのじゃない。老師が云われたのじゃ。そう怒るまい。年甲斐もない」
「ヘン、面白くねえ。
ねえ、旦那」
「ええ?」
「全体坊主なんてえものは、高い石段の上に住んでやがって、屈託がねえから、自然に口が達者になる訳ですかね。こんな小坊主まで中々口幅ってえ事を云いますぜ
おっと、もう少し頭を寝かして寝かすんだてえのに、言う事を聴かなけりゃ、切るよ、いいか、血が出るぜ」
「痛いがな。そう無茶をしては」
「この位な辛抱が出来なくって坊主になれるもんか」
「坊主にはもうなっとるがな」
※「いけませんわ。このような罵詈雑言は『ピストルズ』ではございません。強いて言いますと『シンセミア』ですわ。『シンセミア』様には大変失礼かと存じますが・・・。」 「それにしましてもいったい誰の仕業かしら・・・?」 「あら!まっ!やっぱり! ホシカゲさんとタヌキセンセイの悪戯ですわね!」
※「ちがうよ。ソウセキセンセイだよ」
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(4月13日)久保田勝利・Xデーまであと3日
初めて一人旅に出た十九歳の時には、荷物は黄色い布でできた小さなリュックサックひとつだった。あれで二ヶ月旅をしていたのだから驚く。今のわたしは、たった三日旅に出るのでも、重いリュックサックを背負い、トロリーバッグを引いている。
仕事で週一度は長距離列車か飛行機に乗る。背中のビジネス・リュックが重いのは、コンピューターのせい。今書いている長編小説を、旅に出る旅に中断していては、書きたかったことを忘れてしまう。列車を書斎と思わなければ、やっていけない。和紙でできた和綴じの帳面に筆ペンでさらさらと原稿を書けるようならどんなに身軽だろうと思う。そんなノートを見る度に買ってしまうのだが、一度も使ったことがない。ディスプレイから溢れ出る電光を自分のインスピレーションの輝きと錯覚し、活字の美しさに文章の不確かさを庇ってもらいながら原稿を書くことに慣れてしまうと、手書きはつらいものだ。ずっと「うぬぼれ鏡」に慣れていたのが、普通の鏡に映った顔を見せられたようで、手がすくむ。
今回の旅はまずハノーヴァーへ向かう。わたしの住んでいるベルリンからは特急で一時間半もあれば着く。車内で仕事をするには短すぎるくらいだ。今週は書き終えたい原稿があるだけでなく、今度、「旅をする裸の眼」が文庫化されるというので、そのゲラも読まなければならない。でもゲラを全部持っていくのは重い。妥協策で半分だけ持って行く。
元は東ベルリンだった地区から乗って、元西ベルリンだった地区を通り、ベルリンの外に出て、つまり元東ドイツだった土地に入って、そしてまた元西ドイツだったハノーヴァーに入る。「元国境」を三回越えるのだが、最近は、どこが国境だったのかと考えることも減ってきた。葉を落として痩せた樹木の連なりと灰色に凍りついた空が切れ目なく続くのをぼんやり眺めているばかりである。
ハノーヴァーでは、来年行われる「静寂の詩」というプロジェクトの説明会があった。十四の女子修道院がそれぞれ三週間、女性作家を受け入れ、修道院という場所そのものの静寂が人の感性に与える影響や、今日の修道院の意味について考えるというもので、作家はそこに滞在していれば「給料」をもらえるという楽な生活を三週間送れるわけである。滞在中に書いた詩などを一つは提供しなければいけないが、それ以外は何をしていても自由である。
このプロジェクトに参加する修道院はすべて約八百年前にできたもので、初めはカトリックだったのが宗教改革後にプロテスタントになった。その際、尼僧の側から激しい反対があり、闘争が続いたという。ちょっと意外な気もする。わたしなどは、プロテスタントの方が自由でいいのではないか、と思いがちだが、そう単純なものではない。
お祈りの時間が毎日数回あって、食事もみんなでいっしょにとる修道院もあるが、ミサが日曜日にある以外はすべて自由というところもある。老後の生き方の一つの可能性として、「修道院に入る」ということを考えている人も増えたようだ。
最近は一人暮らしの女性が増えたというが、実は結婚しない女性は中世から一貫してかなりいて、そのほとんどが修道院で暮らしていた。修道院なら、強盗に入られることもないし、孤独ではないし、飢えることもないし、まわりから非難の目で見られることもないし、後ろめたい思いをすることもない。
ドイツの歴史上で、今も一番人気のある尼僧は、なんと言っても、十二世紀に生きたヒルデガルド・フォン・ビンゲンだろう。四十歳頃に幻視体験をして、筆をとる。五十歳の頃、自分の修道院を設立。また、古代ギリシャ以来西洋では初めての女性作曲家として、音楽史に名を残した。薬草学の研究も有名で、彼女の名前のついた薬を今もドイツの薬局で売っていたりする。
修道院という場所は、中世に生まれたシャーマン的な才能を持つ創造的な女性にとっては、結構いい住処だったように思えてならない。尼というと時代錯誤的な印象があり、自由で豊かなこの時代になぜわざわざ尼になるのかと不思議に思う人もいるだろうが、今日でも修道院は多くの女性にとって必要な場所なのかもしれない。
今回の主催者ハノーヴァー修道院議会は政治組織で、個々の修道院の中身は宗教団体。このしくみは、わたしの目には、政教分離していないように思え、多少違和感は残るが、神を信じない作家たちを呼んで今日の修道院の意味を問う、という解放的で好奇心満々のアイデアが生まれるのも、そういったしくみのおかげかもしれない。
プロジェクトは来年の春から始まる。滞在期間はそれぞれが決める。説明会には、わたし以外にも十人ほどの作家たちと、修道院の人たちが来ていた。白いヴェールを頭につけた人たちといっしょにケーキを食べるのは初めてだった。みんな冗談を言いあって楽しげに笑っているので、こちらも緊張が解け、「ヴェールはどんな時にもつけているんですか」と聞いてみると、「山にハイキングに行く時とかは、こっそり取るけど」という答えが返ってきた。
説明会が終わると、外はもう真っ暗で、雨が降っていた。明日の昼、ハンブルグの高校で朗読会をしてほしいと頼まれているので、今夜のうちにハンブルグに移動して泊まるつもりだった。
日経新聞2007年12月23日(日)朝刊より
- 作者: 多和田葉子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2007/05/01
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- 作者: 阿部和重
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(4月12日)
■ 原稿を写真家のY氏にメールで送る。
◎DIVISION-1
□□ 会期:2010年5月14日(金)−6月1日(火)
□□ ギャラリートーク:5月22日(土)16:00
出品作家×クボタ タケオ(美術家)
◎DIVISION-2
□□ 会期:2010年6月4日(金)−6月22日(火)
□□ ギャラリートーク:6月12日(土)16:00
◎DIVISION-3
□□ 会期:2010年6月25日(金)−7月13日(火)
□□ ギャラリートーク:ギャラリートーク 7月3日(土)16:00
出品作家×小林美香(写真研究者)
□□ 会場:アップフィールドギャラリー@水道橋
■ 《DIVISION-2》の村越としやさんと山方伸さんの展示の際に販売される図録に文章を寄稿します。
■ これから写真家の方々とやりとりを数往復し、修正した上で脱稿をめざします。
■ 難産。書きたいことは結構早い段階で定まったのですが、スムーズには筆を運ばせてくれませんでした。以前、大江健三郎論を書こうと企てて失敗した時の感覚によく似ていました。下読みはうまくいったのに、いざ書こうと思ったら全然書けなかったという。。。
(4月10日)
■ 新聞に載った自分の文章を改めて読んでみました。心配していたほど嫌な感じはしませんでした。うん。大丈夫です。
■ 拙稿「2010年リアル書店の旅」、今後のリアル書店の在り方を考える上で一読に値する内容かと思いますので、ご高覧賜りますよう宜しくお願いします。
■ トップ記事の幅允孝のインタビューも必読です。幅さんのマネはなかなか難しいのですが、学ぶことが多いです。
《幅さんのインタビューから》
電子書籍には電子書籍の可能性があると思うんです。でも僕は、そもそも自分たちの出自が本という非能率なものなんだということを忘れないでいたい。うちの会社は5人でやっている小規模の会社なんですけど、「本って悪くないよね」っていう人が年々5%くらいずつ増えていくのを、30年間続けていく、そういう企業でありたいと思っています。それが自分の領分だと思います。本屋が本屋である所以、出版社が出版社たる所以。お金だけのことだったらもっと能率のいい方法がいっぱいあるんですから。
■ 同時掲載の記事も関連テーマです。ぜひ。
・藤井淑禎『五〇年前 もう一つの「国民読書年」』
・能勢仁『世界の本屋さん デンマーク〈ガド書店〉』
《週刊読書人》
《拙レポート》
(4月9日)哲学デー
■ 西山雄二「デリダ『エクリチュールと差異』を読む」@朝カル新宿教室を聴講。
■ 今日、なによりもうれしかったのは、60歳を超えて仕事をリタイアした方が数名ですけど受講されていたこと。
《自己紹介での一コマ》
仕事をしていた時は哲学から離れた所にいましたが、今一度勉強したいと思って受講しました。
■ よのなかまだまだ捨てたもんじゃない!!
西山雄二
〜 レヴィ=ストロース論 〜
日時:4月9日、5月14日、6月11日(金 19:00〜20:30)
- 作者: ジャック・デリダ,若桑毅
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1977/12
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- 作者: ジャック・デリダ,梶谷温子
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1983/01
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(4月8日)
■ 週刊読書人4月16日号が発売されました。
■ 早速、出版社の方などから、拙稿「2010年リアル書店の旅」の感想を頂きました。ありがとうございます。
「いい文章だったよ」と褒めてくださる声と「あそこまで書いちゃって大丈夫?」と心配してくださる声のどちらか、あるいは両方という感じでした。
前者はともかく、問題は後者なのですが、あそこまで書くのが適切だったかどうかの判断についてはなんとも言えません。ただこれは書店に限った話ではないですが、現場からの声となるとどうしても派遣社員、契約社員の話をせざるを得えません。
そういう僕自身も契約社員なのですが、僕の場合は両親が健在なのでまだ気持ちに余裕があるんですよ。あと実家から通勤している人もなんとかなるだろうとは思うんですよ。ただ、地方から東京に出てきて一人暮らしで働いている人がたくさんいるのも事実です。そういう彼、彼女らが実際どうやって生計を立てているのかは分かりませんし、さすがに聞けません。
また、「これは書店にとっての《新宿》という特殊事情じゃないのか」という意見もあるでしょうが、そうとも言えません。例えば《渋谷》は新宿とは逆の意味で「書店にとっての《渋谷》問題」を抱えています。それぞれの書店が、それぞれの事情により、以前に比べると「文化」を発信するパワーが落ちてます。これは《渋谷》という街にとってもダメージが大きいと思うんですよ。本を読まない人には関係ないと思うかもしれまんが、5年、10年経ったら《渋谷》のカラーは確実に色褪せますよ。また《東京》についても丸善は大健闘ですが、八重洲ブックセンターが大苦戦という問題があります。あそこは優秀な書店員がいるなど、出版業界にとっては重要な拠点なんですよ。「丸善があるからええわー」という簡単な話ではないんです。
だから、僕がどこの書店で働いていても同じような文章になったんじゃないかって思います。
ともあれ、改めて言っておきますが、重要なのは後半部分です。少なくとも言った以上、僕自身は実行します。
■ 拙稿で以下の3冊の本に触れました。いずれも良書なのでぜひ!
- 作者: 田口久美子
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2010/03/27
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- 作者: 小林弘人
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2009/04/03
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- 作者: 永江朗
- 出版社/メーカー: ポット出版
- 発売日: 2009/07/14
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(4月7日)
■ 無念。
■ 木村拓也コーチのご冥福をお祈りします。
■ プロ野球ファンの一人として、全力プレーで応えたいと思います!!
(4月6日)
■ フェア棚がようやく出来てきました!
《その1》
《あえて〈孤独〉になるための読書フェア》
会場:ジュンク堂書店新宿店(7F23番フェア棚)
会期:2010年4月1日(木)〜4月30日(金)予定
■ 池田鮎美・藤原ちから・大澤聡・浜野喬士・白井聡の選書(コメント付)がズラリと並んでいます!
■ フリーペーパーも配布中!!
■ 大澤聡の著書
一九三〇年代のアジア社会論―「東亜協同体」論を中心とする言説空間の諸相
- 作者: 石井知章,米谷匡史,小林英夫
- 出版社/メーカー: 社会評論社
- 発売日: 2010/03
- メディア: 単行本
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■ 浜野喬士の著書
エコ・テロリズム―過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ (新書y)
- 作者: 浜野喬士
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2009/03/06
- メディア: 新書
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■ 白井聡の著書
- 作者: 白井聡
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/11
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《その2》
ピクウィック・クラブ企画《ワールド文学カップ》@紀伊國屋書店新宿本店・便乗企画
《ディアスポラ文学フェア》
会場:ジュンク堂書店新宿店(7F23番フェア棚)
会期:2010年4月1日(木)〜4月30日(金)予定
■ やっとこちらも様になってきました。 ピクウィック・クラブ企画《ワールド文学カップ》@紀伊國屋書店新宿本店と合わせてお楽しみください!
■ まだまだ分かりづらい不親切な棚ですが、POPを日々加えていきます。
■ 《ワールド文学カップ》フェア記念冊子も配布中!!(限定50部)
■ 『日本語が亡びるとき』に対して私は批判的ですが、水村美苗さんの著書も多和田葉子さんやリービ英雄さんの著書と共に参加してもらいました。《ディアスポラ》《エクソフォニー》というのはおそらく一番難しいテーマでしょうし、日本語作家で対峙している数少ない文士なので。
■ 『日本語が亡びるとき』もよかったらこの機会に読んでみてください。賛否はともかく、第1章は重要です。
- 作者: 水村美苗
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/11/05
- メディア: 単行本
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(4月5日)
■ 新聞に載るわ! (マーガレット関係ないやん!)
■ 週刊読書人4月16日号(4月9日発売)に拙者の「リアル書店考」が掲載されます。
■ 立ち読みではなく、購入して読んで頂けると幸いです。
■ 2010年リアル書店のリアルなことを書きました。できれば隠しておきたいことも書きました。少々、情に訴えるような嫌らしい感じになってしまいましたが、う〜ん、リアル書店は相当厳しいです。はい。
■ 私の原稿は、ブックディレクターの幅允孝さんのインタビュー記事と並んで掲載されます。これらは今発売中の4月9日号のトップ記事《港千尋×前田塁対談》と2週にわたって企画された『2010年電子書籍元年』の特集です。
■4月9日号《港千尋×前田塁対談》と合わせて読まれることをオススメします。
■ 読み応えのある対談です。少しだけ紹介します。
港 フランス国立印刷所は、2006年、500年を誇る歴史に幕が閉じられました。(中略)印刷所の労働組合も当然EU憲法には、全員反対している。EU化が進むと国内で受注していた仕事が、安い賃金の国に流れていく。その結果、自分たちの仕事も減らされる可能性がありますから。本には書かなかったんですけれども、あれだけ大きな活版の印刷所が閉鎖された理由のひとつが、電話帳にあると聞きました。要するに、国立印刷所で全部刷られていた電話帳を、いきなりスペインかどこかの国に発注することになった。それが手痛い打撃だったわけです。単にひとつの印刷部門が消えるというよりも、グローバル化による象徴的閉鎖だった。
前田 きょうの対談を「読書人」さんが企画された主な理由であるだろう、「紙の書籍が今後どうなるのか」を考えるとき、今のお話は本質的なもののひとつを表していますよね。『紙の本が亡びるとき?』でも触れましたが、そのことは、どうしても産業構造の問題、経済的な話と繋がらざるをえない。そもそも文化は経済と無縁ではありえませんが、美的な趣味判断とは別に、ひとびとがまず直面するのは、それが産業として成立してしまっている以上、印刷所や書店がどうなるのか、著者や出版社の権利がどうなるのか、ということだと思います。
港 書店は我々のように、物を書いたり読んだりする人間にとっては、プライマルな、なくてはならない、ひとことで言えばパブリックなものですよね。「パブリック」あるいは「パブリッシュ」ということについて、もっときちんと議論した方がいいと思います。パブリック(公)が今までどういう歴史を持ってきたのか。それは歴史をつうじて人類が発明した最大の発明品のひとつであり、これをそう簡単になくしちゃっていいものなのかどうか。もちろん、なくなるものではないと思いますが、それに対するアティチュードは、きちんと持っていなければならないことを、書店さんにも考えて欲しい。そのためには、パブリックな場所に来たいと思わせなければいけない。ある記憶や感情、読者にアフェクトするものがある空間。それは空間デザインや本の選択、書店員さん、すべてを含んだ上での、書店という場所ですね。この場所が社会にとってプライマルな場所だということを、みんなに信じて欲しいし、一緒に作っていかなければならないと思います。その意味ではこれは「パブリックの問題」ですから、ひとつのアクターだけでできることではない。
- 作者: 港千尋
- 出版社/メーカー: せりか書房
- 発売日: 2010/02
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- 作者: 前田塁
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(4勝4敗)タイガースは負けたわ!
(4月3日)
マーガレットが勝つわ!
(4月2日)
■ 原稿2本目(写真論)脱稿できず。次の休みは4月6日なので、6日脱稿をめざします。
■ 昨日、USTでほんの少しですが阿部和重先生を拝見致しました。うふふ。皆様にも先生のお顔を少しばかりですがお見せ致しましょう。
まっ! うりうりって感じですわ!!
桐野夏生《ナニカアル》絶賛発売中!!!!!
《セックス・ピストルズ》絶叫絶倫発売中!!!!!
※ 「バカヤロー! 引っぱり過ぎなんだよ!このネタ、エイプリルフールに軽くやれって言っただろ!」「うっせー!クッソタレハゲ! 昨日はそれどころじゃねえよ!」「ダマレ!バシッ! ま、土日に間に合ったからゆるしてやる」「んっ? っていうか、この罵詈雑言って感じ、なんか作品間違えてねーか?」「っていうか、オマエ誰だ?」
(4月1日)エイプリルフール
■ 1本目の原稿を脱稿。担当者にメールで送りました。
■ 制限字数を少々オーバーしました。書き直しを催促されるかもしれません。
■ トークのレポートとか色々アップしたいことがありますが寝ます。
■ 以上、うそではありません。